歌会始 選ばれたら
注目される六首とは?
「ホスト万葉集」選者・俵万智さんインタビュー 愛や恋が渦巻く2020年の「サラダ記念日」|好書好日
ボルダリング興味あります。 一回ナマで試合を見てみたい。 というのも大学3年生の夏休み、 遊園地でアルバイトをしており その時ボルダリングに似た遊具があったのです。 もちろん素人用だから比べ物になりませんが 頂上直前はエビぞりになって結構危険。 命綱も無く、よく登ってたなあ。 昔は何でもイイ加減でした。 一回登れるようになったら面白くなり バイト仲間で何分で登れるか競争したりしてました。 こんなん登れんやろ! ?と言ってるお客さんの前で ひょいひょいひょい~と登ったり、 怖がる子供に「足ここに置いて」って言ったり お母さんに「お母さんこそ登って!頂上制覇!」とか言って 本当にお母さん登っちゃったり、 そのガッツポーズを写真に撮ったり・・・と とにかく毎日お客さんと遊び呆けてました。 そしたらですよ、夏休みの終わりに、 優秀バイトとして表彰されたのです。 最優秀バイト3人の中にも選ばれました。 遊びのように楽しんで働いて、 しかも褒めてもらえたのは(長い)人生の中でも、この時だけ。 ボルダリング、懐かしい。 大自然の中での岩登りの歌を。 割れ目つかみ亀の子スラブ攀じのぼる足下に滝はひとすじの光 市居よね子 『塔』2021年1月号
それはすごく難しい質問ですね……。自分が作った歌がどういう運命をたどるのが一番幸せかと考えると、誰かの心に住み着いて、折に触れて思い出してもらえるものが幸せな歌だと思うんです。短歌って短いからまるごと覚えられるし、たった31文字しかないからこそ、個人ではなく皆で思いを共有するのに優れていると思います。 ――短歌を詠むにはたくさん言葉を知っていて、それを誰よりも使いこなせないとならない、というイメージがあります 。 ヨーロッパなどでは「選ばれしものが詩人になれる」という暗黙の了解がありますが、短歌は誰でも詠めるのが特徴です。私は海外で短歌の紹介をする際にはいつも、新聞の歌壇欄を使っています。どの新聞にも短歌のコーナーがあって、さまざまな人の投稿が掲載されていますよね? 短歌は1000年以上前から脈々と続いている、歌人以外でも気軽に作れる、開かれた文学なんですよ。 ――歌会を通して、ホスト達も詠み手として成長している実感がありますか? 詠むことを続けているとリズムがつかめるようになるので、自分の詠みたい場面をパッとつかまえられるようになります。そういう巧みさを身に着けたなって人は何人もいて、彼らも短歌にハマってるという様子が見てとれます。1人でコツコツ作るよりも皆の前で詠んで感想を聞けたりすると刺激になるので、歌会という場も良いのかもしれません。 「コロナだし」行かない理由を探してた 嘘でもなくて本当でもない(霖太郎) ――『ホスト万葉集』 実際、短歌も喜んでいると思うんです。だって70人以上のホストに詠まれたことは、短歌史上ないことなので。短歌界にとっても彼らの存在は、良い刺激になると思います。 ――「イケメンじゃないと短歌を詠んではいけない」なんてことはないですよね? もちろんですとも! 心のイケメンなら誰でも詠めますよ。短歌という表現手段を相棒に持てることは、生きることを豊かにすること。だからこの本を読んで、始めてみてもいいと思います。日々の時間がどんどん過ぎていく中で歌を詠むと、立ち止まって自分を振り返ることが出来るんです。 だから彼らにも私は「出版はゴールではなくてスタート。本が出ても続けていきましょう」と言いました。これからもずっと、詠み続けて欲しいと願っています。