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アンゲリカ 本 好き の 下剋上の注
教材販売はうまくいった。終わり際にお母様もやってきて、コルネリウス兄様のために全てを購入してくれた。 ついでに、ベンノに向かってニコリと笑って「そろそろリンシャンがなくなるから来なさい」というようなことを遠回しに告げた。上級貴族であるお母様が声をかけたことで、ギルベルタ商会の注目度は嫌でも上がった。 ベンノがにっこりと笑って了承するけれど、その目が少し泳いでいるような気がする。城で貴族から一斉に注目されるのだ。視線の重圧感と緊張感はすごいだろう。洗礼式やお披露目で注目されたわたしにはよくわかる。 ……が、頑張れ、ベンノさん!
あれだけ様々なキャ ラク ターを書き分けることができるのに、こんな所にも引き出しがあるなんて凄いです。
正直な話、トラウゴットはとても好きになれるようなキャ ラク ターではありませんが、あえてそのようなキャ ラク ターを主人公に据えた短編というのも、普通の物語とは違った面白さがあってとても良かったです。
総括
いかがでしたでしょうか? 本作の、脇役が脇役であって脇役ではない所。これだけ大量のキャ ラク ターが登場するにも関わらず、全員がメインキャ ラク ターレ ベルで個性的な小説って他には中々無いと思います。
本作のあとがきによると、作者の 香月美夜 先生はハンネローレの短編を既刊に入れたかったらしいのですが、それが入らなかったためこの外伝が出版されることになったとのことです。しかし、正直に白状すると本外伝を読む前まで僕は、「ハンネローレって聞いた覚えあるけど誰だっけ?」という状態でした。
いや、現時点で本編においてはローゼマインとの絡みも出番も少ないキャ ラク ターなので、すぐに思い出すことができなかったのですよ。(一応、本編にあったエピソードの視点違いなので読んでる内にすぐに思い出せましたが)
そんな、その他大勢に近いキャ ラク ターの掘り下げが半端ではない 『 本好きの下剋上 』 が、更に本気を出してきたという印象の外伝でした。
だって、本編を知らずにこの外伝を読んだ人がいたら、まさかハンネローレが本編においてはまだまだ出番の少ないキャ ラク ターだなんて思わないですもんね? アンゲリカ 本 好き の 下剋上の. 僕は普段、こういう外伝的な小説に対しては「外伝を出すくらいなら本編を早く出して~」と思うことが多いのですが、 『 本好きの下剋上 』 においては外伝も本編並みに楽しみかもしれません。
もちろん、本編も楽しみにしていますが、またこういう外伝も読んでみたいですね。
タイトルに「1年生」と入っているということは、「2年生」「3年生」と外伝がでることを期待して良いのかなぁ? 試し読みはこちら