多発 性 嚢胞 腎 仕事
常染色体優性多発性嚢胞腎について adpkd 常染色体優性多発性嚢胞腎(じょうせんしょくたいゆうせいたはつせいのうほうじん)は、腎臓に液体のたまった「嚢胞(のうほう)」が多数できる病気です。嚢胞(のうほう)は年齢とともに徐々に大きくなり、これと共に腎機能が悪くなります。 腎機能の悪化が進んでいくと血液透析などの透析療法が必要になり、本邦では平均して60代前半に透析療法が必要になると言われています。日本における透析になる原因疾患の第5位が常染色体優性多発性嚢胞腎であり、現在では最も若くして透析に至る病気になっています。 1. 遺伝形式 多発性嚢胞腎の多くは常染色体優性遺伝という形式をとる遺伝性の病気です。 この常染色体優性という意味は、片方の親がこの病気であると子供がこの病気である確率は50%と推測されるというころを意味します。 2. 症状・診断・合併症 若いころは無症状であることが多いのでこの病気に気づかれないことが多いですが、年齢を重ねるごとに腎嚢胞に出血を起こしたり感染症を起こしたりすることで気づかれます。 また、腎機能が悪化したりくも膜下出血を起こしたりした状態で初めて気づかれるということもあります。CTやMRIなどの画像検査や血縁者の病気の状況などにより診断されます。 多発性嚢胞腎は腎機能障害や血尿、嚢胞への感染以外にも、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤、心臓弁膜症、肝臓など他の臓器の嚢胞、高血圧症、大腸憩室などを合併することが知られています。 多発性嚢胞腎のCT(左)、MRI(右)。左右の腎臓に赤い矢印で示される多数の嚢胞が見られます。 3. 治療 これまでの多発性嚢胞腎の治療は、血圧の管理や、他の腎臓病と同様の管理を行うことが一般的でした。 これに加えて、嚢胞が大きくなることを抑えたり、多発性嚢胞腎における腎機能低下を遅くしたりすることができる、バゾプレシン受容体拮抗薬であるトルバプタン(商品名:サムスカ)という薬による治療が2014年より可能となりました。 2017年の報告において、早期から治療を開始した群のほうが遅れて治療を開始した群よりも腎機能悪化が抑えられたとされ、早期からの治療の重要性が確認されました。また、同年に報告されたREPRISE試験では、55歳未満でeGFR 25-65mL/min/1. 73m2であれば総腎容積に関係なく腎機能悪化を抑えるということが明らかとなりました。 日本では、年齢に関係なく、左右の腎容積の合計が750mL以上、年あたりの増大率が5%以上であればトルバプタンの適応となります。 トルバプタンによる治療を行う場合は、治療開始の際に2泊3日~3泊4日の入院が必要となります(病状に応じて異なります)。 入院中には血圧・体重・尿量のチェックを含め、種々の検査を行います。治療が必要と考えられる方は比較的若い方から年配の方まで様々です。お仕事をされながら治療を受ける方も多くおられますので、そのお仕事にあわせた投与計画を決めていきます。 4.
Q&A よくあるご質問・お悩み 疾患について ADPKDとどのような心構えでつきあっていけばよいでしょうか? ADPKDは指定難病の一つですが、死に直結する病気ではありません。主に腎臓がターゲットとなりますが、その進行も人それぞれで異なります。ADPKDという病気について正しい知識を持ち、ご自身の状態を主治医とともに把握し、それを受け止め、じっくりとつきあうことが大事だと思います。 ADPKDの進み具合はどうやって知ることができますか? ADPKDの重症度や進行度は腎臓の機能(血清クレアチニン値や推算糸球体濾過量(eGFR))で評価します。ただ腎機能が正常である初期の段階では腎臓の大きさが指標になります。そのため、画像検査でのう胞の数や大きさ、腎臓自体の大きさなどを確認して、前回の検査時と比べることで進み具合をみていきます。 親がADPKDでした。私も同じ経過をたどるのでしょうか? ADPKDは50%の確率で遺伝することがわかっています。ADPKDが遺伝していたとしても、同じ家族内で症状が出現する年齢、合併症、透析になる年齢はさまざまであり、必ずしも親と同じ経過をたどるとは限りません。 ADPKDの脳動脈瘤の特徴は? ADPKD患者さんの脳動脈瘤の頻度は一般と比べて高く、家族歴がある場合で約16%、ない場合でも約6%といわれています。脳動脈瘤の破裂の頻度も一般の5倍と高く、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(脳の表面を覆うくも膜の下の出血)の発症年齢も平均41歳で、一般の51歳と比べて早期に発症します。また、小さい動脈瘤でも破裂しやすいというのも特徴の一つです。 ADPKDでも妊娠・出産は可能ですか? ADPKD患者さんは、20~30歳代では血圧、腎機能、肝機能が正常であることが多く、男女ともに妊娠・出産は問題ないと考えられます。ただし、腹部膨満、腎障害、妊娠高血圧症候群(妊娠20週以降、分娩後12週までの高血圧)に対応が必要な場合もあります。 ADPKDの診断後に行われる検査には、どのようなものがありますか? ADPKDと診断された後は、血液検査と腎画像検査(超音波・CT・MRI)による経過観察が行われます。血液検査では主に腎機能、腎画像検査ではADPKDの重症度や進行度の評価が行われ、そのときの病状に応じた治療法が検討されます。 ADPKDと診断されましたが、どのくらいの間隔で受診をすればよいのでしょうか?
トップ Q&A 腎疾患 「腎疾患」の検索結果 IgA腎症です。人工透析を始めるまでは障害年金はもらえないのですか? IgA腎症です。今は薬を服用していて、透析はしていません。しかし、将来的には透析になるリスクが高いと言われています。人工透析をしたら障害年金がもらえるとは聞いていますが、人工透析を始めるまでは障害年金はもらえないのですか? 続きを読む 多発性嚢胞腎から人工透析になりました。仕事は続けますが障害年金はもらえますか。 多発性嚢胞腎です。6年前から治療を続けてきましたが、今年、人工透析になりました。腎不全で人工透析になったら障害年金がもらえると聞きましたが、多発性嚢胞腎から人工透析になった場合も障害年金はもらえるのですか。透析しながらですが仕事は続けていく予定です。その場合でも障害年金はもらえますか。 半年前にエルドハイムチェスター病と診断。障害年金が支給されることはないでしょうか? はじめまして。私は半年前にエルドハイムチェスター病と診断されました。それまで約2年、血液内科で検査していました。なんとか仕事は続けていましたが、年齢も50歳を超え、日常的に発熱、頭痛、腰痛、手足の痺れ、関節の痛みがあるため、来月退職予定です。この病気は難病指定ではないため、高額な病院代に金銭的にも不安があります。老齢年金がもらえるまで、障害年金が支給されることはないでしょうか? 右の腎臓が機能していないが、障害年金の申請は出せるのでしょうか? 私は3年前に検査でMRIを撮ったのですが、右の腎臓が機能していないと医師から言われました。それから年に1度、エコーと尿検査で経過観察していただいてます。今のところ透析などもなく、片方が正常に機能しています。最近、体調を壊したりして自分の健康等に不安があり、独り身なので色々考えて障害年金の申請の事を考えるようになりました。腎臓に関しての診断書も出るのですが障害年金の申請は出せるのでしょうか? クッシング症候群という疾患で片側副腎を摘出。障害年金を受給できますでしょうか? 私は、9年前にクッシング症候群という疾患で片側副腎を摘出しました。検査時の数値が正常範囲でも頻繁にひどい脱力感、吐き気、腹痛などの不全症状がでます。フルタイムの勤務は難しく、手術以来週1〜2回のアルバイトですら難しい状態です。このような場合、障害年金を受給できますでしょうか?