ニュートン の 第 二 法則
本作のpp. 22-23の「なぜ24時間周期で分子が増減するのか? 」のところを読んで、ヒヤリとしました。わたしは少し間違って「PERタンパク質の24時間周期の濃度変化」について理解していたのに気づいたのです。 解説は明解。1. 朝から昼間、2. 昼間の後半から夕方、3. 夕方から夜、4. 真夜中から朝の場合に分けてあります。 1.
運動量 \( \boldsymbol{p}=m\boldsymbol{v} \) の物体の運動量の変化率 \( \displaystyle{ \frac{d\boldsymbol{p}}{dt}=m\frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2}} \) は物体に働く合力 \( \boldsymbol{F} \) に等しい. \[ \frac{d\boldsymbol{p}}{dt} = m \frac{ d^2 \boldsymbol{r}}{dt^2} = \boldsymbol{F} \] 全く同じ意味で, 質量 \( m \) の物体に働く合力が \( \boldsymbol{F} \) の時, 物体の加速度は \( \displaystyle{ \boldsymbol{a}= \frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2}} \) である. \[ m \boldsymbol{a} = m \frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2} = \boldsymbol{F} \] 2つの物体が互いに力を及ぼし合う時, 物体1が物体2から受ける力(作用) \( \boldsymbol{F}_{12} \) は物体2が物体1から受ける力(反作用) \( \boldsymbol{F}_{21} \) と, の関係にある. 最終更新日 2016年07月16日
まず, 運動方程式の左辺と右辺とでは物理的に明確な違いがある ことに注意してほしい. 確かに数学的な量の関係としてはイコールであるが, 運動方程式は質量 \( m \) の物体に合力 \( \boldsymbol{F} \) が働いた結果, 加速度 \( \boldsymbol{a} \) が生じるという 因果関係 を表している [4]. さらに, "慣性の法則は運動方程式の特別な場合( \( \boldsymbol{F}=\boldsymbol{0} \))であって基本法則でない"と 考えてはならない. そうではなく, \( \boldsymbol{F}=\boldsymbol{0} \) ならば, \( \displaystyle{ m \frac{ d^2 \boldsymbol{r}}{dt^2} = \boldsymbol{0}} \) が成り立つ座標系- 慣性系 -が在り, 慣性系での運動方程式が
\[ m\frac{d^2 \boldsymbol{r}}{dt^2} = \boldsymbol{F} \]
となることを主張しているのだ. これは, 慣性力 を学ぶことでより深く理解できる. それまでは, 特別に断りがない限り慣性系での物理法則を議論する. 運動の第3法則 は 作用反作用の法則 とも呼ばれ, 力の性質を表す法則である. 運動方程式が一つの物体に働く複数の力 を考えていたのに対し, 作用反作用の法則は二つの物体と一対の力 についての法則であり,
作用と反作用は大きさが等しく互いに逆向きである
ということなのだが, この意味を以下で学ぼう. 下図のように物体1を動かすために物体2(例えば人の手)を押し付けて力を与える. このとき, 物体2が物体1に力 \( \boldsymbol{F}_{12} \) を与えているならば物体2も物体1に力 \( \boldsymbol{F}_{21} \) を与えていて, しかもその二つの力の大きさ \( F_{12} \) と \( F_{21} \) は等しく, 向きは互いに反対方向である. つまり,
\[ \boldsymbol{F}_{12} =- \boldsymbol{F}_{21} \]
という関係を満たすことが作用反作用の法則の主張するところである [5]. 力 \( \boldsymbol{F}_{12} \) を作用と呼ぶならば, 力 \( \boldsymbol{F}_{21} \) を反作用と呼んで, 「作用と反作用は大きさが等しく逆向きに働く」と言ってもよい.