高校数学:同じものを含む順列 | 数樂管理人のブログ
ホーム 高校数学 2021年1月22日 2021年1月23日 こんにちは。相城です。今回は同じものを含む順列について書いておきますね。 同じものを含む順列について 例題を見てみよう 【例題】AAABBCの6個の文字を1列に並べる場合, 何通りの並べ方があるか。 この場合, AAAは区別できないため, 並び方はAAAの1通りしかありません。ただ通常の順列 では, AAAをA, A, A と区別するためA A A の3つを1列に並べる並べ方の総数 のダブりが生じてしまいます。Bも同様に2つあるので, 通りのダブりが生じます。最後のCは1個なのでダブりは生じません。このように, 上の公式では一旦区別できるものとして, 1列に並べ, その後, ダブりの個数で割って総数を求めていることになります。 したがって, 例題の解答は, 60通りとなります。 並べるけど組合せを使う 上の問題って, 6つの文字を置く場所〇〇〇〇〇〇があって, その中からAを置く場所を3か所選んで, Aを置き, 残った3か所からBを置く場所を2か所選んで, Bを置き, 残ったところにCを置けばいいことになります。置くものは区別でいないので, 置き方は常に1通りに決まります。下図参照。 式で表すと 60通り ※下線部はまさに になっていますね。 それでは。
同じものを含む順列 確率
}{5! 6! }=2772通り \end{eqnarray}$$ 答え $$(1) 2772通り$$ PとQを通る場合には、 「A→P→Q→B」というように、道を細かく区切って求めていきましょう。 (A→Pへの道順) 「→ 2個」「↑ 2個」の並べかえだから、 $$\begin{eqnarray}\frac{4! }{2! 2! }=6通り \end{eqnarray}$$ (P→Qへの道順) 「→ 2個」「↑ 1個」の並べかえだから、 $$\begin{eqnarray}\frac{3! }{2! 1! }=3通り \end{eqnarray}$$ (Q→Bへの道順) 「→ 1個」「↑ 3個」の並べかえだから、 $$\begin{eqnarray}\frac{4! }{1! 3! }=4通り \end{eqnarray}$$ 「A→P」かつ「P→Q」かつ「Q→B」なので \(6\times 3\times 4=72\)通りとなります。 順序が指定された順列 【問題】 \(A, B, C, D, E\) の5文字を1列に並べるとき,次のような並べ方は何通りあるか。 (1)\(A, B, C\) の3文字がこの順になる。 (2)\(A\) が \(B\) より左に,\(C\) が \(D\) より左にある。 指定された文字を同じものに置き換えて並べる。 並べた後に、置き換えたものを左から順に\(A, B, C\)と戻していきましょう。 そうすれば、求めたい場合の数は「\(X, X, X, D, E\)」の順列によって計算することができます。 よって、 $$\begin{eqnarray}\frac{5! }{3! 場合の数|同じものを含む順列について | 日々是鍛錬 ひびこれたんれん. 1! 1! }=20通り \end{eqnarray}$$ \(A\) が \(B\) より左に,\(C\) が \(D\) より左にある。 この問題では、「A,B」「C,D」をそれぞれ同じ文字に置き換えて考えていきましょう。 つまり、求めたい場合の数は「\(X, X, Y, Y, E\)」の順列によって計算することができます。 よって、 $$\begin{eqnarray}\frac{5! }{2! 2! 1!
}{3! 4! } \times \frac{4! }{2! 2! } \end{eqnarray}となります。ここで、一つ目の分母にある $4! $ と2つ目の分子にある $4! $ が打ち消しあって\[ \frac{7! }{3! 2! 2! }=210 \]通り、と計算できます。 途中で、 $4! $ が消えましたが、これは偶然ではありません。1つ目の分母に出てきた $4! $ は、7か所からAの入る3か所を選んだ残り「4か所」に由来していて、2つ目の分母に出てきた $4! $ も、その残りが「4か所」あることに由来しています。つまり、Aが3個以外の場合でも、同じように約分されて消えます。最後の式 $\dfrac{7! }{3! 2! 2! }$ を見ると、分子にあるのは、全体の個数で、分母には、同じものがそれぞれ何個あるかが現れています(「Aが3個、Bが2個、Cが2個」ということ)。 これはもっと一般的なケースでも成り立ちます。 $A_i$ が $a_i$ 個あるとき( $i=1, 2, \cdots, m$ )、これらすべてを一列に並べる方法の総数は、次のように書ける。\[ \frac{(a_1+a_2+\cdots+a_m)! }{a_1! a_2! 高校数学:同じものを含む順列 | 数樂管理人のブログ. \cdots a_m! } \] Aが3個、Bが2個、Cが2個なら、 $\dfrac{(3+2+2)! }{3! 2! 2! }$ ということです。証明は書きませんが、ダブっているものを割るという発想でも、何番目に並ぶかという発想でも、どちらの考え方でも理解できるでしょう。 おわりに ここでは、同じものを含む順列について考えました。順列なのに組合せで数えるという考え方も紹介しました。順列と組合せを混同してしまいがちですが、機械的にやり方を覚えるのではなく、考え方を理解していくようにしましょう。