浅野いにお おやすみプンプン Raw
(最終章)CG使って絵を作るって、なんでそんなことをわざわざするんですか??? ――さきほど「CGなどのテクノロジーで可能性は広げていく」とおっしゃってましたが、そのお話も聞かせてください。浅野先生の作品はとくに『おやすみプンプン』以降、背景含めて描写がめちゃくちゃ細かくなったと思うんですけど、これは例の「3DCG」が関係しているんですか? 『ソラニン』までの僕は、キャラクターよりも物語に注目されることが多くて。僕自身、作画はそんなに得意じゃなかったんですけど、 『プンプン』では背景や作画に関して一切妥協せずにやろうと決めた んです。 『おやすみプンプン』1巻より ©浅野いにお/小学館・ヤングサンデーコミックス ――プンプンって週刊連載ですよね? 毎週この緻密さで描かれて、よく6年半も続けられましたね...... 。 そう。「背景や作画を妥協せず連載を続けるためには、どこを削れるか?」ってことは僕もずっと考えていて。その結果出た答えが、 「主人公のデザインを削る」 というものだったんですよね。 ――そこ! (笑) じゃあプンプンは、消去法で生まれたアイデアだったんですか? もっとこう、「読者が主人公に自己投影しやすいようにシンプルな形にした」とか、そういうカッコいい製作秘話はなく!? (笑) 主人公を5秒で描ければ、他の部分に時間をかけられる じゃないですか(笑)。自分のやりたいことが、それで合致したんです。 ――なんか...... 天才というか...... ただブっとんでるというか...... 。 実際、物語が折り返す頃には頭の中でエンディングまで描けていたので、『プンプン』は後半になるとほとんど作画に集中していました。デジタルとアナログを併用した描き方を考え始めたのも、その時期からです。 デジタルで作画している部屋は別室なので、見に行きますか? ――是非!! こちらが、CGを制作する部屋。メインの職場よりもコンパクトだが、めちゃくちゃ集中できそうな空間! ここが、CGなどを描いている部屋ですね。 ――あれっ......!? 浅野いにお おやすみプンプン raw. ――あのカエルは...... !!!!!!!!!!? ーーうわーーー! 『ソラニン』の薬局前にいたやつーーーーー!! 本物だーーーー!!!!! 『ソラニン』1巻より ©浅野いにお/小学館・ヤングサンデーコミックス ああ、そうです。『ソラニン』の映画で使ったあと、いただいたんです(笑)。 ――テンション上がる!
うみべの女の子 : 作品情報 - 映画.Com
浅野:線画はコピックの マルチライナー と面相筆で30分。塗り部分は1時間くらいです。 — 使いやすい色や気に入った色はありましたか? 浅野:まだ特定の「この色が好き!」というのはないのですが、グレーの階調が細かく用意されているのは可能性を感じました。 例えば、漫画の通常の白黒原稿でも雑誌によっては紙面の印刷品質の向上でグレー中間色が表現可能になってきていて、そもそも電子媒体であれば完全な二階調化の必要はありません。ならば、スクリーントーンの網点にこだわらなければコピックのグレー塗りに置き換えることもできるはずです。そうすれば今まで以上に微妙なニュアンスを手軽に表現できるようになるんじゃないでしょうか。 デザイン画制作のために生まれたコピックには、クールグレイ・ニュートラルグレイ・トナーグレイ・ウォームグレイの4つのグレイ系統が存在する。各グレイごとに明度が異なる色が用意されているので、表現したいものに合わせた雰囲気を出すことが可能。 — コピックに新たな可能性を見出していただいて嬉しく思います。浅野さんのコピックイラストをまた見れる日を楽しみにしています!
「浅野いにお」のアイデア 37 件 | 浅野, デデデデ, おやすみプンプン
5thアルバム「LETTERS」を発売し、2作連続でオリコンアルバムチャート1位を獲得した。 松隈ケンタ 1979年生まれ、福岡県出身の音楽プロデューサー。音楽制作プロダクションSCRAMBLES代表。ロックバンドBuzz72+を率いて上京し、2005年にavex traxよりメジャーデビュー。バンド休止後に作詞家 / 作曲家としてアーティストへの楽曲提供をスタートさせ、BiS、BiSH、EMPiREらWACK所属グループの楽曲を手がけている。現在はプロデュース業に加え、ギターブランド「Jimmy Quartett. 」、音楽スクール「SCRAMBLES MUSIC COLLEGE」、レコーディング&リハーサルスタジオ「SCRAMBLE STUDIO」を運営。FM福岡にて冠ラジオ番組「松隈ケンタの『スクランブルロックシティ』や、NHK福岡のラジオ番組「六本松サテライト」のメインMCを担当するなど、地元福岡でも精力的に活動している。2020年にBuzz72+での活動を再開させた。 浅野いにお 1980年生まれ。茨城県出身。高校時代に持ち込みを開始し、1998年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号 manpuku! 」にて『菊地それはちょっとやりすぎだ!!
浅野 :漫画というのはとにかく「省略」と「記号化」を巧みに使い分けて作るものなんですね。登場人物の人となりを全部説明するわけにはいかないので、なるべく言葉じゃないところで説明しなきゃいけないんです。この人は何歳くらいなのか想像できるようなセリフを入れておくのと同じように、景色や背景で、この人はどういう文化圏で生活している人なのかわかるようにしていますね。 例えば東京の街に対するイメージって、ある程度共有されているので、実在する街並みをリアルに描くことで、どんな文化圏で生活しているキャラクターなのか想像しやすい。同じ東京でも、どの区に住んでいるかによって、キャラクターの性格まで変わってきます。街だけじゃなく、電車の沿線ごとでもカラーが異なりますよね。小田急線には小田急線の、中央線には中央線のカラーがあるから、描く物語によって舞台を使い分けています。リアリティが生まれるだけでなく、僕自身もそのほうが描いていて楽しいので。 『素晴らしい世界 新装完全版』より ―1つの風景を出発点にして、物語を想起することもあるのでしょうか? 浅野 :そのパターンもありますね。例えば、住宅地ばかり描いていると、たまに工場地帯の風景を描きたくなる。じゃあ、工場地帯ならどういうストーリーが向いているかな? と、そういうアプローチをすることもあります。 「この人、おしゃれに気を使ってるけど、最近ゴキブリ出たんだな」 ―街の情景だけでなく、キャラクターが暮らしている部屋の、「描く必要があるのか?」と思えるような電化製品の配線なども仔細に描き込まれていますよね。 浅野 :風景と同じように、部屋が整頓されているか、散らかっているかで性格ってなんとなく分かりますよね。そこに置いてあるもので大体の年齢や趣味嗜好も想像できると思います。それをわざわざモノローグで、「この人は何歳で~」とか「ズボラな性格で~」なんて書くのは野暮なんですよね。 漫画はページ数が限られているので、全部を説明するわけにはいきません。特に読み切りの短編はとにかく無駄なものを削ぎ落としていかないといけない。主人公の出自とか年齢とか、極端にいえば名前すらも邪魔なんですよね。 ―それを言葉で説明するのではなく、背景に情報やメッセージを盛り込み、読者の想像に委ねると。 浅野 :はい。例えばおしゃれな部屋の片隅にバルサンが置いてあったりしたら、「この人、おしゃれに気を使ってるけど、最近ゴキブリ出たんだな」とか、エピソードとして描かれていない部分まで想像できると思うんです。「え?