免 震 構造 と は
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- 【図解】免震とは?耐震・制震との違いと選び方 【Woman.CHINTAI】
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【図解】免震とは?耐震・制震との違いと選び方 【Woman.Chintai】
地震大国といわれる日本では、兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震、熊本地震など、多くの大震災が発生してきました。地震対策の一つである免震構造は1980年代に実用化され、今では一般住宅から高層ビル、工場などで採用されています。本連載では、技術者が学んでおくべき免震構造の基礎知識を、6回にわたり解説していきます。第1回目では、免震構造とは何かについて、説明します。 第1回:免震構造とは 1. 免震構造とは 免震構造とは地震を免れると書くとおり、建物と地盤を切り離し、地震の揺れを建物に直接伝えないようにした仕組みで、1980年代に開発が進められてきました。免震構造の他には、耐震構造、制振構造などがあります。地面の揺れを建物に伝えないためには、どうすれば良いのでしょうか。 …… 2. 免震構造の歴史 免震構造の歴史は古く、日本で最初に文献に登場したのは1891年です。明治・大正期に活躍した河合浩蔵が、縦横に丸太を積み重ねてその上に建造物を建築する手法を、「地震ノ際大震動ヲ受ケザル構造」と演説した速記録が残っています。米国では、1909年に英国人J. 免震構造とは. A. Calantarientsが絶縁基礎システムに関する特許を申請しました。日本では1924年に、鬼頭健三郎がボールベアリングを用いた建築物耐震装置の特許を、山下興家が柱脚部に板ばねを用いた耐震装置で特許を申請しています。 免震効果による地震被害低減の事例として、…… 3. 積層ゴムの実用化 免震構造の実用化は、1980年代に大きく進みました。そのきっかけの一つが、積層ゴムの導入と開発です。福岡大学の多田英之博士の研究グループにより、地震動による免震建物の挙動解析と、積層ゴムの実用化に向けた研究が行われました。積層ゴム実験では、ゴムの材質や形状などをパラメータとして、基本特性や限界性能への影響を評価しました(<図1)。 図1:さまざまな形状の積層ゴム試験体 欧米では、建築物や橋への積層ゴムの利用が進められていました。一方、…… 4. 免震構造の現状 日本には、戸建て住宅を除いて約4, 000棟の免震建物があります。免振技術の適用範囲が広がったため、さまざまな建築物に使用されています。技術の進歩により、デザインが複雑な建築物にも免震技術が適用できるようになりました。 実際に起こった地震で免震効果が検証されたことも、免振建物が普及した理由の一つです。兵庫県南部地震(1995年)、東北地方太平洋沖地震(2011年)、熊本地震(2016年)において、免震構造による被害の低減が確認されています。免振効果のある病院では、地震直後から治療を開始できました。建物の安全性に加え、建物の持つ機能性が維持できる点は注目に値します。 一方で、…… 第2回:免震構造と耐震構造の違い 前回は、免震構造の基本的な解説と、その歴史について説明しました。第2回となる今回は、免震構造と耐震構造の相違点を取り上げます。なぜ免震構造は、地震被害を防ぐことができるのでしょうか。 1.
包絡解析法とは 包絡解析法とは、建物への入力エネルギーと免震層の吸収エネルギーのバランスを考慮することで、免震層の応答変位や応答せん断力係数を予測する解析法です。免震構造は、免震層に地震動のエネルギーを集中させる明快な構造なので、地震動による建物への入力エネルギーが免震層で全て吸収されると仮定できます。そのため、…… 2. 地震時の入力エネルギー 免震建物への入力エネルギーを計算してみましょう。建物基礎部には、免震層としてアイソレータとダンパーを使用し、地震エネルギーの吸収は免震層のみで起こるものとします。この時、入力エネルギーと吸収エネルギーは以下の式で表されます。 W e (t)+W p (t)=E(t) ここで、W e (t)はアイソレータの弾性ゆがみエネルギー、W p (t)はダンパーの消費エネルギー、E(t)は地震動による建物への入力エネルギーです。いずれも、時間(t)の関数です。計算を簡略化するために、免震建物は1自由度系振動モデル(一方向のみに振動する)と仮定します(図1)。 図1:1自由度系振動モデル 地震動による免震建物への入力エネルギーは以下の式で表されます。 ここで、…… 3. 地震時の応答モデル 包絡解析法では、アイソレータの復元力特性は弾性型、ダンパーの復元力特性は完全弾塑性型を有していると仮定します(図2)。弾性型では荷重に比例して変形量が増大します。完全弾塑性型は、ある荷重までは比例して変形量が増え、ある変形量以上では荷重が増えないモデルです。 図2:弾性型と完全弾塑性型に荷重を加えた際の変形量 このようなモデルでは、最大変形量δ max が生じたときのアイソレータとダンパーの吸収エネルギー量は以下のように表されます。 4. 免震構造の設計方法:免震層の基本的な数値を押さえよう - バッコ博士の構造塾. ベースシア係数とは ベースシア係数とは、地震時の建築物の最下層に生じるせん断力を建築物の重量で割った値(層せん断力係数)です。図4に、多質点系振動モデルを示しました。一般的に、…… 5.
3. 免震構造の仕組みは?| 免震マンションQ&Amp;A【長谷工マンション百科:特別編】
免震技術の課題と展望 日本の地震対策の大きな課題は長周期地震動です。長周期地震動時の免震建築物の応答は、これまでも検討されてきました。地震の強さによっては、エネルギー吸収能力や水平クリアランスを超えるケースがあるようです。今後は、総入力エネルギー量と最大応答値の両面から検討を進め、免震部材の繰り返し変形後の特性変化や、地震動評価のばらつきを考慮した設計法の構築などが必要になります。 長周期地震動の定義を、大きな長周期成分を持ち、継続時間が長い地震動としましょう。このような地震動は、継続時間は短いものの、指向性パルス(ある方向に大きな振幅を持つ変位波)やフリングステップ(大きな段差のある変位波)が発生すると指摘されています。これらによる揺れの最大速度は120~150cm/sであり、通常の免震設計で想定する速度より大きくなります。そのため、設計レベルを超える地震動に対する免震建物の性能解析も必要です。 新たな免震技術の展開として、三次元免震、セミアクティブ・アクティブ制御免震、免震と制震システムを紹介します(図2)。 図2:新たな免震技術 ・三次元免震 ……
免震建築物の調査結果 現地調査を行った5つの事例について、免震装置と地震被害の概要を解説します。 1:B建物(医療施設) ・概要 表1のBは、熊本市内にある医療施設です。近くにある地震観測点では、熊本地震の本震で震度6強の揺れが観測されました。Bには免震建物以外にも、新耐震や旧耐震の建物がありました。 ・建築物構造 B建物の免震病棟は、13階建て+地下1階のSRC構造をしています。免震装置として、天然ゴム系積層ゴム支承、鉛プラグ入り積層ゴム支承、鋼棒ダンパー、直動転がり支承を設置しています。免震診療棟の構造は7階+地下1階のSRC構造です。免震装置として、鉛プラグ入り積層ゴム支承を用いています。 ・地震による被害 免震構造の病棟と診療棟では、家具・診療器具などの転倒はなく、ほとんど被害はありませんでした。そのため、診療業務は通常通りに行うことができ、免震病棟から患者を避難させる必要もありませんでした。免震診療棟は、停電や断水の影響があったものの、急患の受け入れを迅速に再開できました。一方、…… 第6回:免震のメリットと展望 前回は、免震建物の効果を現地調査の結果を用いながら示しました。最終回である今回は、免震構造のメリットを確認し、今後の課題・展望について解説します。 1.
免震構造の設計方法:免震層の基本的な数値を押さえよう - バッコ博士の構造塾
免震構造と耐震構造の違い 免震構造は、建物と地盤を切り離し、地震の揺れを建物に直接伝えないようにする仕組みです。地面と建物との間に免震装置を入れることで、建物へ伝わる揺れを軽減します。一方、耐震構造は建物を頑丈にして、地震の揺れに対抗する仕組みです。柱やはりなどの部材を太くしたり、補強材を入れるなどして建物の強度を高めます。免震構造と耐震構造の地震時の状態を見てみましょう。 図1は耐震構造の地震時の状態です。耐震建物は地盤に固定されているため、地面の揺れが上層部で増幅されてしまいます。増幅の程度は建物の固有周期(片側に振れて再び戻ってくるまでの時間)によります。その結果、建物を支える構造体(柱、はり、壁など)が大きく変形し、損傷することがあります。 構造体だけでなく、内装や外装がはがれる、天井が落下する、エアコンやエレベータなどの建築設備が被害を受ける可能性もあります。そうなれば当然、不動産としての資産価値は下がってしまいます。 図2は免震構造の地震時の状態です。…… 2. 地震被害を左右する固有周期とは なぜ、免震構造は耐震構造に比べて地震動の影響を抑えられるのでしょうか。それは、免震装置により、建物の固有周期を長くしているからです。地震時に建物に作用する加速度(応答加速度)は、建物の固有周期が短いと大きく、固有周期が長いと小さくなります。短いと大きく、固有周期が長いと小さくなります。図3に、建物に作用する加速度の大きさと建物の固有周期の関係について示します。11種類の地震波を用いた結果をグラフにしています。 図3:建物に作用する加速度の大きさと建物の固有周期の関係 建物の周期が2秒以下の場合、重力加速度(980 ガル)を大きく超える加速度が生じます。しかし、…… 3. 免震構造の3つの注意点 免震構造を考える上で、注意すべき点が3点あります。相対変位の増加、鉛直方向の加速度、共振です。それぞれについて説明します。 1:相対変位の増加 建物と地盤間の相対変位(免震層変位)は、応答加速度と相反します。免震装置の水平剛性を小さくすると、応答加速度は小さく、建物は大きく動きます。相対変位を小さくするには、適切な振動の減衰性能を持つダンパーを用いることが必要です。実験でダンパーやアイソレータの性能を測定することで、地震時の免震建物性能の評価ができます。応答加速度を低減しつつ、適切な免震層変位となるよう免震層の特性を決めることが求められます。 2:鉛直方向の加速度 第3回:包絡解析法による免震層の評価 前回は、免震構造と耐震構造の比較から、なぜ免震構造が地震被害を防げるのか解説しました。第3回では、免震層を評価する手法の一つである、包絡解析法を紹介します。 1.
地震大国である日本。家を建てるにあたって、地震への備えはしておきたいものですね。実は、建物における地震への構造上の備えとしては、「免震」「耐震」「制震」の3種類があります。この3つの言葉は知っていても、それぞれの違いについては、詳しく知らないという方もいるかもしれません。 そこで今回は、免震、耐震、制震の3つの構造上の違いや特徴、メリットやデメリットについてご紹介します。それぞれの違いを踏まえて、あなたの家にあった地震対策の参考にしてくださいね。 1、耐震とは? (1)耐震とは 耐震とは、文字どおり、地震に耐えることです。また、建物の壁に筋交いを入れるなどして、揺れに耐えられるよう工夫されたものを耐震工法と呼びます。現在の日本では、大震災を教訓にし、住宅の多くはもちろん、自治体の建物や学校なども、この耐震工法で建てられている建物が多く、最も地震への備えとしてポピュラーな構造と言えます。 (2)耐震住宅のメカニズムや構造 出典: 地震の力は、主に重量の重い床や屋根に加わるため、その地震に対して建物を壊すことなく、耐えうる家を作るには、床、屋根、壁、柱、梁をしっかり作ることが大切です。耐震住宅の構造はこれを実現するために、建物に筋交いや構造用合板、金具などを使って補強する方法がとられています。 特に、筋交いを入れるケースでは、「片方組み」、「たすき掛け」など、補強材の組み方によって強度も費用も違いますので、どの方法で補強するのか、よく考えて工事を依頼するようにしましょう。 また、壁の補強をする際にも、必要な量を必要な場所に設置しなければ、効果を最大限に発揮することができませんので、専門家の説明をよく受けるようにしましょう。 2、免震とは? (1)免震とは 免震とは、地震によって起こりうる建物の倒壊や家具の破損を防ぐ目的で建てる工法のことです。 耐震工法や制震工法との大きな違いは、建物の倒壊を防ぐだけでなく、建物内部のダメージも防ぐことができるという点がポイントです。 (2)免震住宅のメカニズムや構造 免震住宅は耐震のように、建物を柱や筋交いなどで固めるのではなく、建物の土台と地盤(地面)の間に免震装置を設置して、地震の揺れを建物に伝えにくくする構造になっています。 免震装置があることで激しい地震で揺れても建物にまで揺れが伝わらず、建物内部のダメージや建物の倒壊を防ぐことができます。 免震装置には、アイソレータと呼ばれる建物を支える土台となり、なおかつ揺れを吸収するゴムと、ダンパーと呼ばれる揺れを吸収する装置を使っています。これらの装置をお住いの地盤や建物に適切に組み合わせることで、より免震性能を高めることができます。 3、制震構造とは?