歴史小説と時代小説の違いは
ここまで紹介してきた時代小説ですが、同じ昔の話でも歴史小説もありますよね。 時代小説と歴史小説は何が違うのだろう と疑問に思う方はいませんか? 時代小説と歴史小説の違いはフィクションが多いか少ないかで分けられます。 一般的にフィクションが多い作品は時代小説で、実在した歴史上の人物が登場する小説は歴史小説 になります。 しかし、 歴史小説の中にもフィクションの要素を含んでいる小説もあるので、定義は曖昧 ですが、フィクションが多い小説は時代小説と覚えておきましょう。 今回はおすすめの時代小説とその選び方をご紹介しました。 時代小説を選ぶときは作り手やジャンル、話の長さを考慮すると良い です。今まで時代小説を読んだことが無かった人も、ある程度嗜んできたという人も、これを機に新しい物語に触れてみてくださいね。 ランキングはAmazon・楽天・Yahoo! ショッピングなどECサイトの売れ筋ランキング(2021年07月08日)やレビューをもとに作成しております。
歴史・時代小説ランキング - Honto
『用心棒日月抄』迫力の殺陣シーンも魅力!時代劇の王道を行く仇討ち物語 藤沢周平さん『 用心棒日月抄 (新潮文庫) 』 ブクログでレビューを見る 伸びた月代と薄汚れた衣服で、町を歩いていく青江又八郎、26歳——。故あって人を斬り脱藩し、国許からの刺客に追われる身だ。江戸の裏店で、生活のために用心棒稼業に手を染めた又八郎だったが、いつの間にか請け負う仕事はきな臭い方向へ……。江戸で暮らす庶民の目線で見た「忠臣蔵」を絡めつつ描かれる、又八郎の数奇な運命の物語。 主人公の又八郎が魅力的で、読むほどに惹き込まれる傑作です。江戸の街並み、人々の暮らしぶりも鮮やかに描写され、江戸時代にタイムスリップしたかのような気分も味わえます。時代小説に読み慣れていない人でも、感情移入しやすい主人公なので、藤沢さんの作品を初めて読む人にもおすすめです。度々テレビドラマ化されており、古谷一行さん、杉良太郎さんなど名だたる名優が主演を務めています。 すでにやっていると思うが、これを基にしてテレビ時代劇をリメイクしたいなと感じた作品。内容はやんごとない理由で脱藩した武士が江戸で用心棒を稼業とするなか、赤穂浪士の敵討ちが絡む痛快時代劇。 出てくるキャラクターが存在感があり、それぞれのその後を追いたくなるぐらい魅力的だった。藤沢周平はやっぱり安定した面白さがあると再認識した。 ― kakaneさんのレビュー 3. 『橋ものがたり』 江戸のとある橋の上、10の出会いと別れに心揺さぶられる短編集 藤沢周平さん『 橋ものがたり (新潮文庫) 』 ブクログでレビューを見る 幸助の仕事場に、幼馴染のお蝶が訪ねてきた。奉公に出るからもう会えない、と別れを告げに来たのだ。「5年経ったら、また会おう」と約束する2人。時が経ち、年季が明けた幸助は、萬年橋の袂でお蝶を待っている。あの約束を果たすために……。江戸の橋を舞台に、市井の人々が繰り広げる何気ない出会いと別れの物語を10篇収めた、連作短編集。 「橋」を舞台にした、時に切なく時に甘い、10の物語を楽しめる1冊です。登場するのは、武士や貴族ではなく、江戸の町に暮らすごく普通の人々。「当時はこんな様子だったのかな」「江戸時代では、こんな制約があったのかな」などと、想像が膨らみます。橋の上で巻き起こる男女の喜怒哀楽が情緒たっぷりに描かれ、作者の持ち味が存分に発揮された名作です。短編集ながらも読みごたえがあるので、じっくりと何度も読み返したくなりますよ。 隅田川近辺にかかる橋を舞台とした江戸の市井の人々が繰り広げる人間ドラマの数々。 今よりも一つひとつの地域の色の違いがはっきりしていた時代だからこそ、それらを結ぶ「橋」には多大なロマンを持ち合わせていた。そこから生まれる物語は時に世知辛く、また時にすがすがしいものとなっている。 ― nacciさんのレビュー 4.
歴史小説と時代小説ってどう違うんだろうか?アマゾンの分類では歴史・時代小説となっているし、ネット上でもこれが正解という回答が見られない。 そこでこっそりと、フリーの文芸編集者・小手平走歌さんに話を伺ってみました。 「10年前くらいは明確に分かれていたんですよ。時代小説、歴史小説、大河小説と本の帯に必ずといっていいほど明記されていました」 ちなみに大河小説とは何代にも渡って、徳川家康、秀忠、家光と何代に渡って描かれる小説のことだそう。最近ではほとんど使われないジャンルだといいます。 「簡単に言うと、時代劇が時代小説です。今では変わってきていますが当初は大河ドラマも大河小説とイコールでした」 そうすると東山の金さんとか銭形平次とか鬼平犯科帳等が時代小説なんですね。つまり架空の人物を描いたものが時代小説なんでしょうか? 「いいえ、東山の金さんや鬼平犯科帳の主人公は実在しています。史実に基づいているものが歴史小説で、架空の人物を創出して史実に基づかないのが時代小説ですが、時代小説でも実在の人物が出てくる場合もあります」 なんだかとっても曖昧ですが、たとえば時代小説で代表的な作家さんといえば、山本周五郎や藤沢周平、歴史小説では、司馬遼太郎が代表的です。数十年前にはどちらも区分けがはっきりしていましたが、編集さんでも現在でははっきりとした線引きができないよう。では分ける基準は何でしょうか? 「歴史小説といえば歴史的事実人物を、時代小説といえば架空の人物を描くのが基本ですが、歴史小説でも全員100%実在の人物で描かれているわけではないので、そういう意味ではフィクションの割合がどれくらいか分かれ目だとも言えます」